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英語民間試験|7種類のテスト一覧表(受験料・特徴)|問題点

英語民間試験

 

2020年度に導入予定だった英語民間試験の延期が11月1日に発表されました。

それを受けて今、何かと話題になっている英語民間試験。

英語民間試験とは一体何なのか?

英語民間試験の何が問題になっているのか?

今回は下記の項目を中心に英語民間試験について徹底解説していきます。

  • 英語民間試験を巡る動き
  • 英語民間試験7種類の基本情報
  • 英語民間試験の問題点

英語民間試験がどのようなものか気になる方は参考にしてください。

英語民間試験を巡る主な動き

従来の大学入試センター試験は「読む・聞く」が中心でした。

しかし、中学・高校と6年間みっちりと英語を勉強したにも関わらず、英語が話せない日本人が多いのが現状。

そこで「読む・聞く・話す・書く」の4技能の必要性が問われることに。

大学入試センター試験で「話す・書く」を導入するのは一度に数十万人が受験するので設備や採点などの面から難しい。

そこで、「話す」「書く」は民間試験を採用することに。

ここでいう民間試験が、今話題になっている「英語民間試験」のことです。

下記は英語民間試験を巡るこれまでの主な流れです。

英語民間試験を巡る主な動き

内容
2012年 民主党政権の「グローバル人材育成戦略」が、4技能(読む・聞く・話す・書く)を問う入試の開発を示唆
2013年 政府がセンター試験に代わる新テストの導入&民間試験活用の検討を提言
2017年 文科省が大学入学共通テストの実施方針を公表。
英語は民間試験を活用することに。
2019年 10月に萩生田文科相による「身の丈」発言(詳細は後述)。
11月に民間試験導入延期を発表。

英語民間試験7種類の基本情報

英語民間試験には全7種類あります。

この7つの中から受験生は自分に合った試験を自分で決めることができます。

受験期間は2020年4月〜12月の間。

試験は何度でも受けることができます。

大学入試に使われるのは、そのうち2回分の成績のみ。

試験名 受験料(税込) 試験会場 年間受験者数(年間)
英検 5800〜9800円 全都道府県
約260会場
約385万人
GTEC 6820円 全都道府県
161地区
約126万人
TEAP 1万5000円 26都道府県 約2万4000人
TEAP CBT 1万5000円 16都道府県 696人
IELTS(2団体) 2万5380円 16都道府県/
23都道府県
約3万7000人
ケンブリッジ英語検定 9900円〜2万5850円 15都道府県 非公表
TOEFL iBT 235アメリカドル
(約2万5000円)
全国10地区 非公表

※18年3月に発表された英語民間試験は8種類。しかし、19年7月にTOEICが参加取り下げを発表したため、現在の7種類に。

 

英語民間試験7種類の特徴

試験名 主催者 特徴
英検 日本英語検定協会 英語能力が身についているかの検定試験
GTEC ベネッセコーポレーション 文科省寄りのテスト
英検に似ている
TEAP 日本英語検定協会 留学や大学を意識
TEAP CBT 日本英語検定協会 コンピューター試験
IELTS(2団体) ブリティッシュ・カウンシル 留学を意識
ケンブリッジ英語検定 ケンブリッジ大学英語検定機構 英国を中心
TOEFL iBT Educational Testing Service コンピューター試験

英語民間試験の問題点

ここからは英語民間試験の問題点を3点に絞って挙げていきます。

経済格差

大学に出す成績は2回分のみ。

この2回分に関しては事前に申告が必要。

しかし、受験回数に制限がないことから、裕福な家庭の生徒は何度も受験してその試験に慣れて挑むことができます。

変な話、お金があれば何度も模擬テスト感覚でテストを受けることができるのです。

逆に裕福でない家庭の生徒は、いきなりぶっつけ本番の2回の受験となります。

基準が曖昧

英語民間試験には7種類のテストがあります。

受験生は、この中から自分に合った試験を選ぶことができます。

当然のことながら主催団体によってテストの特徴や点数も変わってきます。

その点を大学側がどう公平に判断するのかという基準が非常に曖昧です。

地域格差

上記の「英語民間試験7種類の基本情報」にある表を見たらわかる通り、地域によって試験会場の数は様々。

例えば、英検は全都道府県に会場があるのに対し、TOEFL iBTは全国10地区にしか会場がありません。

もし、自分の住んでいる地域で希望する試験が受験できない時、他の都道府県で受験することになります。

その場合、必然的に受験料の他、交通費がかかります。

距離がある場合、宿泊費が必要になることもあるでしょう。

このように、英語民間試験に関しては経済格差と地域格差の問題があります。

試験会場が多くある都会に住んでいる生徒、何度も受験できる裕福な家庭の生徒の方が有利です。

この不公平さについて問われた萩生田文科相が「自分の身の丈に合わせて勝負してもらえれば」と回答したのが2019年10月24日のこと。

それから英語民間試験が各メディアで話題になり、11月1日に来年度からの導入延期が発表されました。

因みに、萩生田文科相は今回の延期と自身の「身の丈」発言は関係ないと言っているそうです。

英語民間試験まとめ

以上、英語民間試験に関する一連の流れ&問題点でした。

今回、英語民間試験が延期になったことの一番の被害者は間違いなく受験生でしょう。

中には英語民間試験対策のためにスクールに通う生徒もいたそうです。

改めて上記の問題点を振り返ると、英語民間試験は基準が実に曖昧で経済&地域格差があることが分かります。

受験生が安心して勉強できるように早く一連の問題が解決されることを願うばかりです。