世界に多くのファンを持つ村上春樹。
彼の書いた作品は40ヶ国語以上で翻訳されています。
もちろん、その中には数多くの英語に翻訳された作品もあります。
今回は、その英語に翻訳された作品の中から下記の3作品を実際に読んでみました。
- 『アフターダーク』
- 『ノルウェーの森』
- 『海辺のカフカ』
このページをご覧の方は、既に村上春樹の作品を日本語で読んでいる方が多数だと思います。
よって作品の内容というよりも、英語のレベル、読みやすさを中心に今回はお伝えしていきます。
「村上春樹が大好きだ」「英語の勉強がしたい」という方は是非、参考にして下さい。
『アフターダーク』
『アフターダーク』の英語版のタイトルは『After Dark』。
元々が英語名だったことからそのままです。
なぜ、この作品を一番に紹介したかというと読みやすいからです。
その理由は下記の3点。
- 長さ
- 展開
- 単語
英語を勉強するならば、『アフターダーク』は村上作品の中でもオススメです。
主な理由は201ページという短さ。
いきなり500ページ以上の洋書を読むとなると、英語力の他に根気も必要になってきます。その途中で挫折してしまったら元も子もありません。
なぜならば、途中で諦めてしまったことで英語・洋書に対して苦手意識が芽生えるかもしれないからです。
その点、『アフターダーク』は前述のように201ページで終わりが見えているだけに、気持ち的にも読みやすいです。
また、作品の展開も初心者向けだと言えるでしょう。
『アフターダーク』は深夜の東京を舞台にしたもの。
「12:25」「2:43」「5:38」など時間帯によってチャプターが描かれています。
▲ページの上の方にはその時々の時刻が表示されている。
同じ小説でありながら、時間帯によって場所や登場人物が変わる為、ずっと英語を読んでいてもマンネリ化することはありません。
また、単語レベルに関してもそこまで難しい単語は使われていない為、非常に読みやすいです。
「英語力にまだそこまで自信がない」「でも村上春樹の作品を洋書で読んでみたい」という方にはオススメの一冊です。
『ノルウェーの森』
『ノルウェイの森』の英語版タイトルは『Norwegian Wood』。
『ノルウェイの森』と言えば、村上春樹の作品の中でも1,2位を争う人気作。
この作品がきっかけで、村上作品を読み出したという方も多いことでしょう。
『ノルウェイの森』が大好きで何度も読んでいる、頭の中に内容が入っている、という方にとってこの洋書はおすすめ。
ある程度の英語力があればスラスラ読めるはず。
読んでいるうちに”分からない単語があるけど何故かスラスラ読める”という不思議な感覚を何度も味合うことでしょう。
おそらく、これは村上春樹が読者にとってその情景が浮かぶ様、表現している為だと思われます。
そのシーンを頭の中でイメージできる読者は、例え分からない単語があってもスラスラと読めてしまうわけです。
なぜスラスラ読めてしまうのか真意は定かでありませんが、この洋書をスラスラ読めるという感覚は非常に大切なものだと思います。
英語版『ノルウェーの森』は全部で389ページ。
日本語版が上下巻であることから、少々分厚いです。
時々、難しい表現・単語が出てくるものの、前述の通り、村上作品は何故かイメージできる為、読んでいてそこまで苦になりません。
逆に、あの場面は英語だとこの様に表現するのかと関心することも多いことでしょう。
『海辺のカフカ』
『海辺のカフカ』の英語版タイトルは『Kafka on the Shore』。
四国を舞台にした『海辺のカフカ』。
個人的にはかなり好きな作品で日本語版は何度も読み返しました。
しかし、洋書版『海辺のカフカ』は前述の『アフターダーク』『ノルウェーの森』に比べると少々読みにくい印象が残りました。
結局、最後まで読み終えることができたのですが、途中で何度か挫折しそうになりました。
村上春樹の作品といえば、頭の中にイメージが残るもの。
だから洋書になっても読みやすいはずなのに何故?
改めて他の洋書と『海辺のカフカ』を見比べてみるとその理由がわかった気がします。
それは文字が小さいこと。
こちらは英語版『海辺のカフカ』のある1ページ。
上記の『アフターダーク』『ノルウェイの森』と見比べてみると、あることに気づくはずです。
そう1ページあたりも文字数が多いのです。
例えば行数で言うと、1ページあたり『アフターダーク』は30行、『ノルウェイの森』は32行であるのに対し、『海辺のカフカ』は37行もあります。
その為、自然と文字が小さくなって読みにくくなっているのです。
しかも海辺のカフカのページ数は505ページ。
読み終えるには、かなりの根気が必要?
よって、英語初心者にとっては『海辺のカフカ』は最初に読む本としてはあまりお勧めできません。
しかし、既に何冊も洋書を読んでいて『海辺のカフカ』が好きだと言う人はトライしてみるの良いでしょう。
まとめ
以上、村上春樹の洋書案内でした。
文中で何度もお伝えした通り、村上作品は情景が浮かぶ作品が多い為、分からない英単語があっても何故かスラスラと読めてしまいます。
一点アドバイスするならば、洋書を読む際、ヴィジュアルは重視した方が良いと思います。
ここで言うビジュアルとは見やすさです。
前述の様に文字が小さくぎっしりあっては途中で読む気が失せてしまう可能性があります。
それが分厚い本だと尚更です。
よって、洋書を選ぶ際にはパッと見で”これなら読める!”と思えるものを選んだ方が良いでしょう。
それがご自身の好きな作品であれば、更にグッドです。
因みに今回ご紹介した村上春樹の洋書はごく一部。
まだまだたくさんの村上春樹の作品が英語に翻訳されています。
例えば、『国境の南、太陽の西』『ダンス・ダンス・ダンス』『1Q84』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』なども英語に翻訳されています。
家の近くの本屋に洋書があまり置いていないという方も多いことでしょう(私もそうです)。
その様な方は、Amazonで調べると便利です。
Amazonの検索窓で「Haruki Murakami English」と検索すると、たくさんの洋書の村上作品が出てきます。
この「English」を探している本の英語タイトルにすれば、より精度は上がります。
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英語で読んでみたい村上作品がある方は是非、お探し下さい。