外国人にTOEICの話をすると、よく「What’s TOEIC ?」と聞かれます。
日本では就職、昇進の際に絶対的な英語力の基準となるTOEICテスト。
しかし、海外では知名度は低いようです。
なぜそのような現象が起こるのでしょうか?
今回はその謎を紐解くために、下記3つの視点からTOEICを見ていきます。
- TOEICの歴史
- 日本のTOEIC受験者数
- 世界のTOEIC受験者数
「TOEIC受験者数」には、今回の謎を解くヒントが隠されています。
Contents
TOEICの歴史
まずはTOEICの歴史から。
初めに重要なことを言っておくと、TOEICは日本人が発案したテストです。
その歴史は1970年代に遡ります。
通産省と経団連は、英語を母国語としない人を対象とした英語のテストを作ろうとしていました。
そこでテスト作成を依頼したのが、TOEFLなどで有名なアメリカの非営利団体ETS。
つまり、TOEICテストを作成したのはアメリカだけど、発案したのは日本ということになります。
上記のような背景もあり、TOEICテストはどちらかというと日本人に合わせた英語テストとなっています。
例えば、リーディング中心となっているように。
日本のTOEIC受験者数
1979年にスタートしたTOEICテスト。
その後、日本では右肩上がりで受験者数は増えていきます。
詳細は下記の通り。
TOEIC受験者数(日本)
年 | 受験者数 |
1979年 | 6,000人 |
2000年 | 100万人 |
2011年 | 200万人 |
2016年 | 250万人 |
表を見ると、TOEIC受験者数はこの40年間で400倍以上もアップしていることがわかります。
特に英語の重要性が唱えられた2000年からの10年間では、受験者数が100万人も増えいます。
世界のTOEIC受験者数
ここまで日本で有名なTOEICテスト。
しかし、海外の人がTOEICの存在自体を知らないのはなぜなのでしょうか?
その鍵は受験者数の内訳にあります。
世界のTOEIC受験者数データをまとめると下記の通りになります。
- 世界150ヶ国で実施
- 年間700万人が受験
「世界150ヶ国」「700万人の受験者」という数字だけを見ると、TOEICテストが国際規模であるように見えます。
しかし、内訳をみるとそのカラクリに気づくはず。
TOEIC受験者は世界で年間700万人。
しかし、日本の受験者数は250万人もいます。
そして、日本同様TOEIC熱がある韓国の受験者数は200万人とも言われています。
つまり、日本と韓国だけでTOEIC世界受験者数の約65%も占めているのです。
因みに、TOEIC受験者数のその他の地域はアジア主体と言われています。
一応、TOEICの平均点は各国ごとにランキング形式で発表れています↓
上記の表を見る限り、ヨーロッパやアフリカ、南米の国々が表示されており、国際色豊かに見えます。
しかし、平均点の算出情報の詳細欄を見るとこう書かれています↓
年間の総受験者数が500名以上の国のみを掲載
500人と言ったら、50人クラスが10個あれば成立します。
各国の詳しい受験者数は分かりません。
しかし、日韓で全体の65%、アジア主体であることを考えると、その他の地域はかなり少ないと考えられます。
上記のことを総合的に考えると、外国でTOEICテストの知名度が低いことも納得です。
最後にTOEICの平均点に関して。
日本ではTOEICテストを様々な層(英語が苦手な人から得意な人まで)が受けます。
それに対して、海外の受験者はそのほとんどがエリート層だと言われています。
よって、日本が海外よりもTOEIC平均点が低いのは当然の流れだと思われます。
TOEIC対策
以上のことから「なんだTOEICが有名なのは日韓だけなんだ」「海外の人は知らないんだ」と思って意気消沈する人もいることでしょう。
しかし、ここは日本。
日本にいる限り、TOEICなしで英語を語ることはできないでしょう。
2018年度には約3,100の企業・団体・学校でTOEICテストが採用されているというデータもあります。
TOEICテストで高得点を取るには、とにかく対策が必要。
下記に項目別にTOEICおすすめ教材を載せています。
よろしければ、参考にしてください。